謎のケニア人の平均月収

2022.12.08

JAMBO!(こんにちは!)


ケニアで20数年生活していた私が、

お客様に、よく聞かれた質問シリーズ

其の弐。

「ケニア人の平均月収はいくらくらいですか?」


難しい。

非常に難しい質問です。

なんでも日本は、年間423万円、ボーナスなども含まれるでしょうが、

大雑把に12ヶ月で割って35万円ほどだそうです。

一方ケニアは、GNIを元に計算すると月収2万円ほどとなっています。


しかーし!

日本人の思う平均=多くの人に当てはまる。

公表されている多くのデータは正確にその国を表す。

という概念をまず、一回捨てましょう。


そもそもそも国民の平均月収をあらわすGNI国民総所得ですが、

日本では、ほぼ全ての国民が律儀に収入を国に申告して、

納税しているように、ケニアでも都市部のサラリーマンやビジネスマンは、

きちんと源泉で徴収されたり、確定申告を行なったりしています。


しかしケニアには、

ツルカナ湖で魚をとって、現金に変えるツルカナ族のお兄さん、

北部乾燥地帯で、ラクダのミルクを売った儲けのあるボラナ族のお父さん、

輝くビーチで、白人観光客を帆船に乗せセーリングツアーで稼ぐビーチボーイズ、
逆玉の輿に乗って欧米に移住した兄弟から、定期的に仕送りを受け取る娘さん、

息子の結婚資金に牛を売って現金を得るマサイの長老などが存在し、

ケニアの地方の多くで行われているこれらのお金の流れは、

私たちがネットで調べられるケニアGNIデータには、反映されていません。


そして忘れてはいけないのが、発展途上国あるあるの、

貧富の差です。金持ちは大金持ち、そしてそれを支える多くの貧困層。

ケニアの平均月収を正しく測ったところで、

日本に多く存在する、中流家庭というのが、どこの層にあたるのか。


私が思うに、ケニアでは、金持ち(小金持ち含め)は、

金に困らない日本人より良い生活をしていて、

多くのケニア人は日本人の平均月収の5〜10分の1ほどの収入で暮らしている。

という感じですかねぇ。
それでも、物価は日本の10分の1なんてことはなく、
物によっては日本と変わらない金額で売っていたりするので、
みなさんどうやって暮らせているのか、謎ではあります。
月々決まった給料以外のお金の流れがケニアにはあるのです。


ちなみに、私の知り合いのマサイ青年は、

ケニアの観光シーズン、ドライバーガイドとしてひと月に軽く50万円は稼いで、

銀行口座に貯金はなくても、彼の財産である牛の価値は軽く300万は超えるし、

別の保護区のレンジャーのマサイ青年は、ひと月5万円の月給で、

毎日サイを密猟者から守るため、徒歩で危険なサバンナを夜間もパトロールしています。

現金収入は数ヶ月に一回、牛を売った時に得る10万円ほどで4人の子供を育てる純正放牧第一のマサイもいるし、

また、とある政府機関で要職についていたマサイ中年は、

ほとんど働かないのに、ナイロビ郊外に数千万円はするであろう立派な御殿を建てていました。
同じマサイでも一括りでは語れません。


ナイロビの弁護士の仕事をしているケニア人の知り合いは、年収600万円ほどあるそうで、

そこのお手伝いさんは、月3~5万円ほどで働いています。

そのお手伝いさんの田舎の家族や友人は、現金収入はほとんんどなく、

自給自足のような生活をしていたり。

 

ケニア人の平均月収入、一番難しい質問です。

数字だけなら、みなさんウィキや外務省ページで調べてください。

ただし、その月収で暮らしているケニア人が一番多いとは思わないでくださいね。


WAKATI MWINGINE (また次回)

TUTAONANA!(お会いしましょう)

 KAWAI